本当に”したい”こと。

どうしようも無い程強がって始めたこのブログの初投稿から、既に8ヶ月以上。基本的に書いている事は似ているのだけれど、書いている僕自身の精神状態は天と地程の違いがあって。とても有り難い事に、今はとても安定しているのです。或いは、これは一時的なものなのかもしれないけれど。でも、「悟りなんてものは実は幻想なんじゃないか」っと心の片隅で思っているので、まだ大丈夫な気はします（笑）

「悟りを開いた」などという大袈裟な事は言えませんが、それでも幸せは感じる事ができています。幸せは掴むものでも作るものでもなく、きっと気がつくものなのだと思うのです。感覚＆感性を研ぎすませて、欲望や嫌悪の存在を客観的に”観察する”ことで、その瞬間の幸せをなんとなく感じられるのです。昔は有り得ないと思っていた、この”幸せは常に存在している”という感覚。不思議です。

幸せだ……とは書きながら、僕自身のステータスは全く変わっていません。

働く事が違法になってしまうアメリカでの職探しは、当たり前の様に上手くいかないし、主夫としての日々を楽しみながらも心の片隅では達成感を望んでいるのです。現状を打破するために転職エージェントに登録しては、ビザの種類で仕事の紹介も断られ、はたまた直接履歴書を送っても、やっぱり誰ともわからない人間に数十万ものするビザを取ってくれる会社はなかなかありません。

自己嫌悪にも陥るし、日々、苦しんでいても全く不思議じゃないのです。現実、数ヶ月前迄は、どうしようもならないほど苦しかった訳ですし。それでも幸せでいられるのは、この半年間の経験があったからかな……と思うのです。今、僕が抱えている人生の荷物は、今この瞬間に僕に必要なものだと理解できた瞬間から一歩が始まって、そして、”どんなお仕事でも、ボランティアでも、アイディアでも、僕が直感的に好意を抱き、感覚で尊敬する方からのお話がきた時に全力でぶつかってみる”ように心を整える事ができました。

条件的に”できない”ことの方が多いけれど、”できるかできないか”を判断するのは、僕じゃなくていいんだろうなっと思える様になったのです。

幸せだからこそ思う、本当に”したい”こと

半年間、モンロー研究所を始めとした多くのプログラムに参加して、多くの”変な人達（笑）”と知り合う中で、どうしても自己紹介をする場面は避けられませんでした。

”僕がどういう人間か”という事を伝えるために、”僕が今何をしてきて、どういう仕事をしてきたのか”という紹介は欠かせません。その度に口にしていたのは、『今は仕方なく主夫をしていて、なんとか仕事をしたいと思ってるのだけれど、ビザの関係で難しいから、合間の期間なんだ』って。

一般的な人は、そこで話が終わって、

『主夫は素晴らしい仕事だよ』とか『良い仕事がみつかると良いね』っと、僕の紹介が終わって次のトピックに話が進むのだけれど、ある友達はその後も話を深めてくれたのです。

見た目は50歳くらい、でも実年齢は63歳（！）

移動式の家に住んで、全米の好きな所に好きな時間に行く、ERのドクターでした。

『それで、淳は何が”したい”の？』

っと。

僕は素直に、こう答えたのです。

『人のチカラになれる専門性を持った仕事がしたい。でも、今からだと現実味がないから、まず、どんな分野の専門家になれるか、調べる所から始めているんだ。』

彼は、さらに突っ込んできます。

『どの専門性が好きなの？』

僕は、少しだけ迷って

『法律で苦しんだ事があるから、法律も勉強したい。鬱病も経験しているから、心理学も勉強してみたい。そして、本来の意味で人を助けるためにも医者という道もあると思う。でもこれらはPh.Dという今から何年もの時間と莫大な費用があるから、難しいと思う。』

っと素直に答えたのです。かっこ悪いな……とは思いながら。結局、何も”したいこと”が見つかってないままの答えです。しかも、「”したいこと”を聞かれているのに”できること”」の返事をしてしまっていることを理解しながら。

すると彼は、こう静かに答えてくれたのです。

『俺がメディカルスクール（医学部）に入ったのは40歳台に入ってからだよ……』

っと。

……また長くなってきました。彼との話、『したいこと』について、次回続けます。日本特有の「手遅れ」の価値観と、アメリカに根強く残る現実的な問題も加味しながら。

【続】本当に”したい”こと