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アメリカ医療のお金の話

公開日: : アメリカ生活




 

三回目にして、漸く本題へ。

アメリカで医療サービスを受けた場合に支払わなければいけないお金の話です。アメリカで普通に生活していて盲腸になったら、本当に100万円もの医療費を請求されちゃうの……?という疑問と不安へのヒトツの回答となれば幸いです。

尚、一時滞在者や旅行者ではなく、アメリカに在住していて、且つ一般的な民間保険に加入している人をターゲットとしています。

 

前回のエントリーはこちらから。

 – 「アメリカの医療システム」

 – 「ファミリードクター」という仕組み。

 

三つの単語。三つの支払い概念。

 

まず、言葉の説明から入ります。この三つの単語の意味が、とても重要になってきます。

 

  • Copayment
  • Deductible
  • Coinsurance

 

上記以外にも大切な用語はあるのですが、その説明はまた別の機会に説明します。まずはこの3つの単語。

 

Copay (Copayment)

 

Copayは、一回のサービスを受ける際に支払う金額です。どんなアメリカの民間保険にもある……と理解しています。

民間保険の契約内容によって、Copayの金額は$10〜$40程度の間で違う様ですが、どんな人も一回の病院(クリニック)への訪問で支払う必要がある金額です。ちなみに、僕の家族の契約では、毎回$25。あまり病院に行かない生活なので、この一回の支払額は特別低くしなくても良いだろう…という判断です。その分、毎月の保険料(Premium)がほんの少しだけ安くなります。

 

予防接種、たんなる風邪、ちょっとした擦り傷……

症状の状態に関わらず、病院に足を踏み入れてお医者様に診ていた途端に発生する金額です。もうこの時点でアメリカの医療は高い……と思っちゃうのではないでしょうか…(笑)

 

Deductible

 

Deductibleを一言で表現すると、「年間自己負担最低額」といった所でしょうか。保険会社は、この「Deductible」が加入者から全額支払われたのを確認してから、医療費の支払いを始めます。だいたい、$300前後(年間)がDeductibleの一般的な金額の様です。

 

……と聞くと、「Deductible」はどうしても払わなければいけないの?と思うかもしれません。

 

上記に上げた予防接種や風邪……といった単なる問診と簡単な処方箋で処置が完了する場合は、上記のCopayで、その後Deductibleの請求はこないようです。実際に僕の所にもきてません。今後くるのかもしれませんが…(笑)

 

Deductibleを払わなければいけない場合は、高額な処方箋であったり、骨折等の外傷が酷い場合、そして今回のテーマである、盲腸といった手術をした場合になってきます。高額な治療が必要な場合は、Deductibleは払ってね…という話なのです。

 

例えば、僕の保険が$300のDeductibleを課しているとします。

そして、例えば、僕が、$250の費用がかかる骨折をしたとします。その場合、保険は適用されず(年間に他の治療をしていない場合)、$250を僕が支払って終了となります。

 

逆に、僕が$300以上の費用がかかる治療が必要となるとします。盲腸で、$20,000の費用が必要という事にします。すると僕は、Deductibleの$300を支払って、後は保険会社に丸投げ……?となればいいのですが、そこからCo-insuranceという概念が入ってきます。

 

 

Coinsurance

 

Cosinsuranceは、一言で表現すると日本の「○割負担」の事です。

僕の保険契約だと、2割負担だった……と思います。確認します(笑)Copayを支払って病院に行き、その治療で高額な金額が発生し、Deductibleの$300もしっかり支払った後、このCoinsuranceの契約に基づいて保険会社から請求書が患者に送られ、また病院への支払いが行われるのです。

 

上記の例だと、$20,000の治療費の場合、$300のDeducitbleを差し引いた、19,700の20%が僕の個人負担となります。$3,940もの請求書が送られてくる事になってしまうのです……。ま、保険に加入してなかったら$20,000もの請求になるので仕方ないとは思うのですが。

 

でも、実は僕は$3,940の全額は払わなくていいのです。僕が支払わなければいけないのは、Co-pay、Deductible、Coinsuranceを全て合計して、家族の分と加味して、年間$3,500の支払いだけなのです。これ以上は保険会社が支払いをしてくれます。

 

 

Out of Pocket Maxという最後の砦

 

前回紹介した盲腸手術の請求書をUPした方は、このMaximum out of pocketという契約が無かったのかな……と推測します。そんな保険があるのかっと逆に吃驚ですが、保険に加入していない人が15%以上もいる国では当たり前のことなのかもしれません。

 

この上限が決められている限り、どんなに大きな病気をしても、一定額以上の支払いは求められないはずです。じゃないと怖くて生活なんぞできません。もう少しパンフレット等の資料は読み込まなきゃと思っていますが、アメリカで一般的な保険(Out of pocket max含む)に加入している限り、盲腸になっても100万円の支払いを求められる事は無い様です。

 

といっても、年間50万円程度の保険料を支払い、且つOut of Pocketの上限額30万円を払うと、「保険を購入しない」という選択肢もありな様なきもします。特に日々の生活が厳しい人にとっては、未来の不安の回避よりも、今の安心なのでしょう。

 

年間100万円近い身銭を切る可能性があっても、それでも僕は、アメリカにいる以上保険は必ず必要だと思っています。アメリカの医療費は、めちゃくちゃ高いのは、本当の事実です。盲腸の手術だけで500万円を請求されたというのも、わからなくは無い話なのです。

話題になってた請求書も80%は保険会社で支払われていたみたいですし。上記のMaximum Out of Pocketという制限がなかったのが100万円もの請求に繋がった原因かなと思います。

 

僕自身、学生時代、気管支炎の一晩の入院(一泊二日)で30万円近い請求を受けました。当時は留学生保険に加入していて、素晴らしい日本の保険のおかげで僕が身銭を切る必要はありませんでしたが、それほどアメリカで医療サービスを受けるという事は高価な事なのです。

 

 

「保険の契約によって話が違ってくる……」

という結論は少々ずるいかもしれませんが、アメリカで盲腸をした場合、保険の契約によっては100万円もの金額を支払わなければならない可能性がある…という事は明確になりました。怖い話です。でも保険がなかったら500万円もの請求になりかねません。

 

アメリカの保険。オバマケア。請求されたけれどどうなるの?アメリカの自己破産とは……?

 

この医療システムについて調べて行くなかで、様々な疑問が出てきました。

今後もシリーズ化して調べつつご紹介して行けたらと思います!!

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