*

各々の役割で。

公開日: : 30歳からのモラトリアム




 

 

親父が亡くなって、家業から離れて。

この1年半の間、ずっともう一人の自分とひたすら語り合ってきたように思うのです。自分の立ち位置がよくわからなくて、「なんでもしたいことができる」という自由を勘違いして、「僕はなにものかにならなければいけない」っと、ただひたすら自分と他人を比べ続けた日々。苦しんで、悩んで、それでも答えが出せない日々は、よく考えれば当たり前で、何年何十年と一つの道を歩み続けている人々が輝いている世界で、僕が一歩を踏み出した瞬間にそれほど輝ける訳がない訳で。

 

ヘミシンクと変性意識に縋り、亡くなった親父と語ろうとした1年前。

(個人的にはしっかり語り合えたと思っていて。死後の世界があるかどうかという議論はまた別においても。)

その時、親父から受け取った情報があまりにも膨大で、理解ができなくて、ひたすら自分の中に入る作業が必要だった昨年の夏。ひたすら瞑想の日々だったっけ。

 

マリナの妊娠が安定期に入り、父になる心の準備を始めて。

時をほぼ同じくして、母親が起業を決意して相談をしてくれ、母親の力にもなろうと決めた昨年の夏の終わり。

 

 

各々の役割というものがあるはずで

 

今更お前は何を言い出すんだ……と笑われてしまうかもしれませんが、人にはそれぞれ、各々に割り当てられた役割というものがあるはずで。環境や条件、肩書きが変わったからといって、人生をかけて全うしようとした役割は変わらないんだということに気がついたのです。

 

自分で書くのは少々恥ずかしいのですが、

「本来の淳は、ほんわりとした子。優しさが取り柄といってもいいほどの、人に気を遣える優しい子。無邪気なところがずっと残ってた子。」

っと母親が僕に口を滑らせたことがあります。

 

当時の親父の反面教師で、「あぁはなりたくない」と競争社会に飛び込んで、見知らぬ世界で磨かれることが必要だと好きでもなかった英語を猛勉強して英語圏で生活して。「家族からは距離をおきたい」だとか「家業を継ぐ気はない」とか言いながらも、結局はずっと頭の片隅に常に残っていて、アメリカではビジネスを勉強して、東京ではメーカーと商社の様なハイブリッドな仕事ができる会社に就職して。

 

予想以上に早く親父に頼られて、悩みに悩んだ挙句、結局は家業を守る立ち位置を選び、ひたすら家族の収入源である仕事を切らさないように(会社を倒産させないように)3年間働き続けて。母親と弟の生活をひたすら守ることだけが僕の使命のように感じ、ずっと一緒に育ってきた刺し子という商売道具を理解し、最大限に有効活用することを考え続けた日々があって。

 

会社が直近の倒産の危機がないだろうというところまで落ち着いて、少し「自分の存在意義」と「刺し子という手仕事の存在意義」に疑問を持ち始めた時に震災が起こり、また会社の売り上げも下がって僕の経営陣としての役割の意味が出てくるのと同時に、「大槌刺し子プロジェクト」と「テラルネッサンス」との出会いと、その流れからの多くの尊敬できる方々との出会いに、僕の全てが救われた感じがして。

 

少し前後するけれど、大好きで大尊敬していた女性(今の嫁のマリナ)が人生の岐路で苦しんでいて、そんな苦しみを僕で力になれるのなら……とロマンスも全くない環境下(スカイプ)でプロポーズして結婚を決めて。(結局、不思議な流れで遠距離結婚が始まることになるのだけれど。)

 

2013年秋。大嫌いで大好きだった親父が亡くなって。

親父が背負ってきたものを僕が背負おうと覚悟を決めた時に、その家業の新しい経営陣から追い出されるかたちになって。生き甲斐を使命を奪われたような脱力感と共にアメリカに移住して、ビザの関係上仕事が全くできない中で、自分の存在意義をまたゼロから探すようになって、自由という名の重圧に負けないように自分を追い詰めて、悩んで、そして迷いに迷って。そして、「やっぱり親父の本音を知りたい」と上記した変性意識とヘミシンクに再度興味を持つようになって。

 

迷いに迷ってる中で、里央菜(娘)との素晴らしい出会いが訪れて。

迷う暇なんてないほどの、「育児を主に担当する父親」という役割を里央菜が僕に示してくれて。

 

 

こうやって振り返ると

「大切なものを守ろうと必死になっているうちに、専業主夫になってました(笑)」

っと、自分を紹介した言葉が、案外的を得ているのかなと思うのです。今でも悩むし、苦しむし、悔しい思いもするけれど、「僕は何も間違ったことはしていない」という感覚が、ふと湧き上がってきたのです。

 

各々にはそれぞれの役割があるはずです。

そして、それは僕がどこにいて、どういう肩書きを持っていようとも、変わらないもので。僕は「大切な人を守ろうと必死になる」という今までの生き様と、そして「刺し子という僕を育ててくれた仕事を次世代に残す」という2011年の震災の後に誓った思いを、形にするだけだと気がついたのです。

 

後ろ盾がなくても、技術が物足りなくても、規模が小さくても。

それでも、僕の想いと、その想いを共有してくれる人と、そしてその想いを応援してくれる人がいる限り、この役割はずっとずっと続いていくんだろうなと思うのです。大事なのは、僕が想いを忘れないこと。そして、その想いを共有し、応援してくれる人がいることを忘れないこと。

 

 

SNSである人の投稿の中に、僕と僕の母親の名前が出てきました。

当時、「刺し子」に対する僕の方向性と覚悟が形になるきっかけになった時間を下さった方々の一人の投稿でした。そして、3年前に僕がいたその場所に、当時と同じ人達が集い、そして僕ら親子のことも思い出して下さったこと。

 

もう、これだけで涙が出るのです。

規模が小さくなったからか、それとも専業としていないからかはわかりませんが、日々の「達成実感」が少なくて、歯がゆい思いをしつつ、また情けない思いも感じていた日々に、こうして当時の血の煮えたぎるような想いを思い出させてくれた彼の方の投稿に、本当に感謝の気持ちでいっぱいになるのです。

 

 

 

それぞれに、各々の役割があるはずです。

 

社会問題に全うから向かい合い、より「僕らが胸を張って生きることができる」社会を実現する人。

エネルギー問題を解決し、次世代に希望と勇気を残す人。

コミュニケーションの基本になったネットワークの課題を昇華させ、ボーダーレスな世界を作り上げる人。

世界の紛争や争い事に関心を持ち続け、平和な世界を創り出そうとする人。

 

僕らの周りには「凄い人」がたくさんいます。その凄い人達は、自分の役割をしっかりと認識し、それを使命と感じて日々前に進んでいらっしゃるのです。そりゃ凄いわけです。

と同時に、それぞれの人の数だけそれぞれの役割が存在していて、「僕がある役割を持った凄い人と同じ仕事をしようとして苦しむこと」は、少しナンセンスなことなのだろうと思います。僕には僕の役割があって、それを全うするからこそたどり着ける場所があるような気がしているのです。

 

親父と別れるまでは、実は僕自身、理解していたことなのかもしれません。

親父に守られ、会社という受け皿(ステージ)が存在し、僕自身が僕の役割を思う存分、踊ることができた状況があったわけで、そこで無邪気に自分の役割を全うしてたのだと思います。もちろん、当時は当時なりに苦しみ、悩み、不満をこぼしながら、それでも思いっきり踊れていたんだろうと。

そんな日常から離れ、僕は今、舞台を降りたままでで踊り続ける日々を怖がり、不安に想い、違う何者かになれないかと悩み続けていたのかもしれません。

 

ただ、僕に今必要なのは、舞台を降り、ストリートに出ても、そのまま踊り続ける覚悟であり、勇気なのだな……っと。それぞれの役割を、それぞれが主役となれる舞台にいつか立てることを目指して。今は主役じゃなくても、いつかは主役になれる舞台を作れるのだと信じて。

 

 

ここまで書いてきたことを一言でマトメルト(纏められるなら最初に書けって怒られそうですが)

 

「国際結婚」をしっかり継続させて、「 子育て 」に最大限の時間を割き、「母親が起業した刺し子業のSashi.Co」を頑張ろう。

 

ということです。

 

 

 

そしゃなー。

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