刺し子ワークショップ in ニューヨーク

2013年12月に家業を去って以来、母親のサポートをする以外は「刺し子」に関わらないようにしてきたのですが、素晴らしいご縁を頂いて、ニューヨークで「刺し子ワークショップ」を行うことになりました。

開催が決まってから、約3年ぶりに針を持って、勘を取り戻すためにチクチクちくちく。オランダで山盛りのワークショップを行った以来なので、ワークショップそのものの開催は4年以上ぶりの冒険になります。

とはいえ、家業で働いていた時は、日々刺し子だけをしていたかというとそうではありません。勿論、ワークショップをする為に、日々の練習は欠かさないようにしていましたが、それは「教える」という目標があった上での刺し子。実際に作品作りで刺し子をすることは、ほぼありませんでした。

理由はシンプル。

• 僕よりも刺し子が上手な職人さんばかりだった。
• 会社組織である以上、誰かが経営を考え、営業活動をしなければならず、それが僕だった。
• つまりは刺し子をビジネスのツールとしてしか考えていなかった。

針よりも紙。

糸目よりも数字。

刺し子との関わり方は、少し斜めからだったかもしれません。そしてそれは、「刺し子が好き」というには、少しズレてしまっていたのかもしれません。実際に刺し子は好きだったし、今でも好きなのだけれど。

それが今、お金のことも、「販売先」のことも考えず、ひたすら刺し子ができる。とても不思議な流れだと思うのです。信じられないことの連続が、今に繋がっているので。

刺し子の練習をしながら、ふと思ったことがあるのです。

「今の環境だからこそ、こうして刺し子と正面きって向かい合えているのではないか。」

僕が刺し子をした上で、それが売れなくて収入が発生しなくても、主夫の務めを果たしている以上、一家は路頭に迷うことはありません。

刺し子は家事の合間の時間のある時に行い、それ以外は子育てや家のこと、そして家族との日々を豊かにする時間として過ごせます。これは刺し子にとって天敵である「焦り」や「ストレス」を軽減（あるいは排除）することができます。

まとめてしまえば、今の「専業主夫になった」という状況だからこそ、刺し子に集中できるのかな……と。

専業主夫であることが嫌で嫌で仕方無かった過去で、「働きたくて仕方ない」ってひたすら文章にしてきましたが、こういう形で、今僕に与えられている環境の意味がわかってくるんだなと面白く思っています。

人生にはストーリー（シナリオ）がある。

そのストーリーには、特に何か意味があるわけではないけれど、意味を付け加えて解釈することで、日々が充実したものになる。

まだまだ不安＆不満がいっぱいの毎日ですが、こうしてたまに思い出させてくれるんですよね。ストーリーがあるってことを。

以下、ワークショップの詳細で す！

A Workshop will be at WantedDesign South Seaport Store (19 Fulton St, NY).

• $135 for 3 hours workshop / basic but fundamental Sashiko technique will be taught.
• All the materials you need is included. Bring your own scissors and a needle rest if possible.
• 9/24 (SAT) or 9/25 (SUN) / 1pm to 4pm.

サインアップ＆詳細はこちらから→

まずはニューヨーク。頑張らねば！