感情を抑えているのか、それとも……。

瞑想を日常に取り入れる様になって約一ヶ月。

実際に瞑想を体験する迄は、時間の無駄とすら思っていた瞑想の時間が、今では僕の日々の中で結構なウェイトを占める様になっていて。ものごとは、頭でっかちに自分基準で判断せずに、なんでもやってみるもんだなぁと思うのです。

大きな変化なのか、あるいは変化はしていないのか

日常に平穏が出てきた……と書いてはいるけれど、基本的に、日常の中で湧き上がってくる感情の種類には、大きな変化はありません。嫉妬だとか、怒りだとか、面倒臭さだとか、鬱陶しさだとか、逆の方向だと、嬉しさだとか楽しさだとか、あるいは感謝だとか。感受性が高いと言われるなりに、刹那毎に様々な感情が湧き上がってくるのは実感しているのです。

やっぱり、その感情によって気持ちは落ち込むし、苛立つし、逆にワクワクしたり、元気になったりするのだけれど、以前と比べて変化したんじゃないかな……と思うのは、その湧き上がってくる感情を直接飲み込んで動くのではなく、一瞬、その感情を観察して”実際にどんなものなのか”を把握する癖がついてきたんじゃないかという事なのです。

その刹那の静止が、大きな変化なのか。あるいは何も変化していないのか……。

感情を押さえ込んでしまっている可能性。

上記の文章を普通に読んで貰えば、

「いやいや。その刹那の静止によって平穏な日々が送れているのであれば、それは大きな変化じゃないの？」

っと思うのが一般だと思うはず。実際僕自身も、この文章を書きながら、「あるいは何も変化していないのか」なんて書く事は少し変だな……と思いながら、ただ、その違和感を無視しちゃう事よりは、しっかりと向き合おうと思って、ちょっと矛盾する事でも文章にしてしまっているのです。

その違和感の本質。矛盾を解消してしまう可能性。

それは、瞑想そのものの体験や、瞑想に関する知識の取得を通して、もしかしたら僕が、”期待できる結果を得るために、感情を押さえ込んでしまっているかもしれない”という可能性です。

苦しみを含んだ感情が、ふわっと消えて平穏に戻る日々の、刹那の経験をしながら、もしかしたら僕はその瞬間に創り出される苦しみを心の奥底に押し込んでしまっているだけなのでは……と考えることもできるのです。思いっきり穿った考え方だとは思うけれど、それでも、変化に対する自己防衛本能なのか、『こんなに平穏な日々が良い訳がない』と疑問を持ってしまう僕がいるのも事実なのです。

不思議な話で、もっと言ってしまえば、とても不器用な生き方じゃないかと笑ってしまう程なのだけれど。ただ、少なくとも、「人生に無駄はないんじゃないか」と感じる事ができているのは、やっぱり大きな進歩なのかもしれなくて。

平穏である日々を楽しみつつ、且つ感謝しつつ、それでも盲目に今の状況を保つ事を最終目的としないで、感情を抑え込んで無視しているのか、それとも本当の意味で感情から独立した場所で平穏を感じているのか、日々を通して感じて行けたらと思うのです。