働かない修行

去年の10月から始まった、先の予測できないローラーコースター。なんとなく行く道は見えてるのに、ガクっと方向転換があったりして、アトラクションとしては最高なのだろうけれど人生である以上、それほど喜んでもられないハチャメチャ感のある日々。

そんな日々も、やっと最近落ち着いてきて。あるいは、慣れてきただけで何も解決してないのかもしれないし、実際具体的に何かが変化したわけじゃないのだけど、母親も僕も、過去よりは未来を見ることができる様になっていて。「時間」とは凄いものだと思うのです。

「去年の10月から始まった…」と書いたこのアドベンチャーも、もしかしたら、その10月よりももっと以前に始まっていたものかもしれなくて、それを僕は文章にし続ける事で理解し、飲み込もうとしている。そして母親は、前を見続けるという事で、悲しみや苦しみに飲み込まれない様にしてる。どんな状況でも前を見ていられる母親に心からの尊敬を覚えつつ、そんな母親に尊敬され信頼され日々飲み過ぎな程珈琲を飲みながら語り合っていた日々を少し懐かしんだりして。

そんな感慨深い思いに包まれたのも、久々に母親とチャットをしたから。

飲み込めない現実、悔しい日々、信じられない扱いを乗り越えて、少し前に進めそうな母親。それも、ずっと前を見てきたからだと思う。どれだけ苦しくても、どれだけ暗くても。

56歳から全く新しい一歩を踏み出そうとしている母親に、

「ホントに凄いね。俺も頑張って、その一歩を早く見つけなくちゃ。」

とチャットをした瞬間に返ってきた言葉。あまりにも力強く、あまりにも非常識で、でもあまりにも納得してしまえる程有り難い言葉だったので、ここで紹介。

「焦らない、焦らない。お金にはならない時間を、大切に使える贅沢を、満喫して、働かない修行ですから。」

…働かない修行って（笑）

確かに今迄は家業という金食い虫のお腹を充たすために、お金という概念は強く意識してきたし、「働かざるもの食うべからず」っていう気持ちはずっと強いので、”強制無職”の現状でも、なにか仕事にできることはないか…と無駄にネットサーフィンをしてしまっているのだけど、そんな状況を僕の好みの言葉の、”修行”で纏めてしまうなんて…。

やっぱり凄いと思うのです。

母親にしろ、嫁にしろ、相談して話を聞いてくれる女友達にしても、本当に女運には恵まれてるな…と思うのです。…というか、親父にしろ、親友にしろ、高山にいる同士にしろ、人には恵まれてるんだな…と強く思います。そんな僕が、「こんな人生なんて」って愚痴っちゃダメですね。

皆様に感謝です。感謝が原点の様な気がします。だからこそ、「生きていれば、それでいいとして」一歩ずつ進んで行けたらと思います。そう、生きていれば、こうして感謝の気持ちを、ふと、抱く事もできるのですから。